ID: 1041619233
石工の街に来た冒険家へ
icon コーデックスタスク
タイプ: 収集
カテゴリー: ヴィエンタ村周辺

石工の街に来た冒険家へ 1

石工の街に到着した冒険家よ、
君はチェルジンを知っているか?
今や皆から忘れ去られつつある名だ。
私が死んだら、彼について知る者は
もういないだろう。
彼について、この老いぼれの話を聞いてくれるか?
長くはかからない。
ずっと昔、石工の街にベネルクスの魔術師たちが
派遣されてきたことがある。
その中に「チェルジン」という魔術師がいた。

石工の街に来た冒険家へ 2

少し変わっていて、のめり込みやすい男だった。
そのせいか仲間の魔術師たちとの間に問題を抱えていてな。
仲間外れにされがちだった。
しょっちゅうひとりで村の外に出ていた。
そんなある日、彼はほら穴で小さなバジリスクを一匹
見つけた。
他のバジリスクとは違い、金色で大きさも半分くらいしか
なかった。
チェルジンはそのバジリスクを宿舎に連れて行き、名前も
つけてやった。
しかしチェルジンは優しい男ではなかった。
仲間たちに無視され、仲間外れにされた怒りを
ぶつける相手が必要だったのだ。

石工の街に来た冒険家へ 3

チェルジンはバジリスクに八つ当たりして虐待
し始めた。
魔術まで使って酷い苦痛を与えた。
それに妙な快感を覚えたのか、チェルジンの行動は続いた。
それまで溜まっていた鬱憤をバジリスクにぶつけたのだ。
挙句の果てには石工の街の近く見つかった砂を
バジリスクの口に入れたりもしたそうだ。
吐いても吐いても食べさせたらしい。

石工の街に来た冒険家へ 4

ところが実に不思議なことに、チェルジンの暴行が酷くなるにつれて
バジリスクは徐々に大きくなっていった。
やがてチェルジンよりも大きくなった。
しかしチェルジンの暴力は留まることを知らなかった。
暴力とはそういうものだからな。
そしてついに、大きくなったバジリスクの野性が目覚めた。

石工の街に来た冒険家へ 5

バジリスクが暴走し始めた。
手当たり次第に物を壊し、ついにはチェルジンを丸のみにした。
そして石工の街をめちゃくちゃにしたのだ。
あとになって、チェルジンがバジリスクに食べさせた砂が
特殊な魔力を含んでいたことがわかったのだが
詳しいことは私も知らない。小さな旅館をやっていただけの
私に何がわかるだろうか?
しかし、チェルジンが持っていたバジリスクが
「ケルノボーグ」だということは誰よりもよく知っている。

石工の街に来た冒険家へ 6

うちの旅館に泊っていたチェルジンが毎日話してくれたのだ。
チェルジンがいなくなったと同時にうちの旅館もなくなったがな。
のちにケルノボーグに出会ったことがあるのだが、
ヤツからはチェルジンの声が聞こえた。
もしかしてチェルジンはケルノボーグの腹の中で生きているのだろうか?
あり得ない話だとわかってはいるが、そんな気がしてならない。

石工の街に来た冒険家へ 7

話が長くなってしまったな。
久しぶりに筆を持ったから疲れてしまった。
聞いてくれてありがとう。
少しでも冒険の役に立てばと思い、ケルノボーグに
ついてもう少し詳しい内容を書いておこうと思う。
時間がある時に読んでみてくれ。楽しい冒険になりますように!

石工の街に来た冒険家へ 8

ケルノボーグは一番前の二本の足で地を掘り、残りの足で
穴を広げて地の下へと消える。
ケルノボーグが入った穴もウソのように
消えてしまう。
おまけに何でも食べるケルノボーグは、自分の毒性を高める
ためなのか、たまにヴェノムマンドラゴラを食べるそうだ。
ヤツの猛毒には気をつけるんだぞ。

exitlag


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追加者 Kiriak (9-10-2024)
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