ID: 3915827056
大樹の歌とオーガ
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タイプ: 収集
カテゴリー: 大樹の森周辺

大樹の歌とオーガ 1

オーガたちは、まるで引き寄せられるようにエルフの魂のもとに集まってきた。

大樹の歌とオーガ 2

ヒューマンたちとの長い戦争後、私は大樹の森に残された最後のエルフとなった。同族がなくなった悲しみに暮れた私にできるのは、森をさまよう彼らの魂を慰めることだった。

儀式の準備には長い時間を要した。そしてようやく、最初の儀式を行うことができた。大樹の歌を歌い出すと魂の実が光を放ち、ヴォルパーティンガーたちがエルフたちの魂を集めて天へと飛ばせた。

その時だった。森の奥でひっそりと暮らしていたオーガたちが魂の実の間を走り出した。奴らは光に寄せられて、ただただ魂の実を盗み出した。私とヴォルパーティンガーたちは予想だにしなかった邪魔者の登場に困惑した。

大樹の歌とオーガ 3

私は状況を解決するために大樹から降りてきてオーガたちに近づいた。そしてそこで、残酷な姿を目にしてしまった。エルフの魂に気を取られていたオーガたちの中で、ボスだと思われる個体がヒューマンたちを虐殺していたのだ。

ヒューマンに対する極端な敵意。私は奴が誰なのかすぐわかった。カンザイジンだった。私の一番の親友、リレルが世話をしていたオーガだった。

当時、孤児たちを引き取っていろいろと世話をしていたリレルは、ヒューマンたちに部族全体を殺されて一人だけ生き残った幼いオーガを見つけた。リレルは奴が一人前の立派な個体になれるよう立派に育ち、カンザイジンという名前まで付けてくれた。リレルはカンザイジンが成人するまで世話をし、成人してからは一人で生きていくよう独立させた。

大樹の歌とオーガ 4

私はそれを思い出し、カンザイジンを説得してオーガたちを引き下げてもらうことにした。リレルがあの魂のなかの一つだとわかれば、奴はきっと引き下げてくれるだろう。

でも、時間は100年も経っていた。奴はもはや私の知っているカンザイジンではなかった。私が話しかけると、奴はリレルなんてまったく覚えていない様子で殺気を放ちながら雄叫びを上げた。奴に残っているのは、オーガとしての野性とヒューマンへの憎悪だけだった。

儀式が終わるまでオーガの邪魔は続き、私とヴォルパーティンガーは仲間の魂の一部だけを天へ送ることができた。どうやらここに残っている仲間たちの魂をすべて天へ送るには、月の上に花が咲き乱れるほどの時間が必要そうだ。

exitlag


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追加者 Kiriak (12-10-2024)
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