トゥルティザンの残党を掃討する殲滅戦で優秀兵に選ばれた私は、王家の遺物を運ぶ運搬部隊に配属された。
遺物を保管する場所は、孤島に建てられた巨大な寺院だった。国王の命令を遂行するという誇りに満ちた私は、熱心に遺物を運び続けた。
しかし、最後の遺物を床に置いた瞬間、王の首席魔術師が突然私たちを攻撃し始めた。その異常な事態に直感的に危険を察した私は、作業員たちと共に寺院の外へと逃げ出した。その時、背後から凄惨な悲鳴が響いてきた。魔術師が逃げる私たちを追い、攻撃を加えたのだ。私も一撃を受け、大きな傷を負ったけど、倒れるわけにはいかなかった。
その時、魔術師が再び私に向けて攻撃を放った。足元の床が崩れ、私はどこか深い場所へと落ちてしまった。
衝撃で全身が砕けるような痛みが走ったけど、幸いにも致命傷ではなかった。首席魔術師も私が死んだと思ったのか、それ以上追ってくる様子はなかった。
その時、周りから徐々に霧が立ち込め始めた。私は霧の中で座り込み、簡単に傷の手当てをした。だが、痛み以上に耐え難かったのは裏切られたということだった。この出来事は首席魔術師の独断行動なのか?それとも、初めから計画されていた陰謀なのか…?
私は首を振って考えを振り払った。今はとにかく生き延びることだけを考えよう。桟橋まで行けば誰かと出会えるかもしれない。私はなんとか立ち上がったけど、霧のせいで視界が悪かった。耳を澄ませてみると、どこかで重いものが動く音が微かに聞こえた。もしかしたら、私と同じように逃げてきた誰かかもしれない。
私は木の陰に身を隠しながら、慎重に足を運んだ。霧は次第に濃くなってきた。