ID: 1223173582
ある魔術師の日記
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タイプ: 収集
カテゴリー: キーティス占領地周辺

ある魔術師の日記 1

ある魔術師の日記

OO年XX日
最近、近くで不審者がやたらと目につく。ここ、光の神殿に日用品や食糧を届けてくれるヨーゼフさんも同じ奴らを見かけた気がすると心配していた。(実は実在するかもわからない者たちより、私やデルーズ・ノアが神殿でちゃんとした生活ができているのかを心配している様子だったけど…)
とにかく、怪しい者たちの正体は何となくわかる気がする。この前にここを守っていた先輩たちからも、神殿の中に封印されているキーティスの心臓を狙った襲撃や侵入がいくつかあったと言われたから、たぶん闇術師の残党の奴らに違いない。もしこのようなことがまた起こったら、学会に追加人員の派遣を要請する手も考えておこう。

OO年XX日
デルーズ・ノアと手分けしてエリアをパトロールした。

二人でパトロールするにはあまりにも広かったので困っていたら、デルーズ・ノアが巨人戦争後に捨てられたゴーレムに魔術図式を上書きする方法を提案した。
彼女の大胆な考え方にはいつも驚かされる。上書きは成功して、今日で20体のゴーレムを復活させてパトロールに行かせることができた。危険性がないことが証明されれば、数をもっと増やしてもよさそうだ。

OO年XX日
パトロール中のゴーレムの一部が壊れた。魔物の仕業にしてはどうも腑に落ちないところがあったから、闇術師どもの襲撃に備えておいたほうがよさそうだった。でも、デルーズ・ノアはアーキライト学会に応援を要請しようとする私の提案に反対した。「それを止めるために私たちはここに来ているのよ。まだ敵の正体が確認できたわけでもないのに、大げさじゃない?」と。それも一理ある。私があまりにも用心深いだけなのかもしれない。実は私は…まだ闇術師に会ったことがないから、単に怯えているのかもしれない。彼女がそばにいてくれて本当によかった。こんなことで悩んでいると知っても、彼女なら絶対相談に乗ってくれるはずだから。

ある魔術師の日記 2

OO年XX日
一週間以上、パトロールゴーレムたちはどんな痕跡も見つけられなかった。どうもゴーレムの数を見て敵(と思われる者)がまずい状況だと判断して引いたようだ。私はゴーレムに防御能力をさらに与え、個体も100体まで増えたらどうかと提案した。デルーズ・ノアもその提案を受け入れてくれた。ただし、この前、魔術図式を上書きしたときに必要な試料をほとんど使い切ってしまって、新たな試料の準備に時間がかかりそうだ。ヨーゼフさんが訪れるまであと二日。それまで他の素材を用意しておこう。

OO年XX日
ヨーゼフさんに試料に必要な素材リストを渡した。少し呆れた顔をしたようだけど、気のせい…だよな?彼が次の定期訪問のときに持ってくると言ったから、できるだけ早く届けてほしいと言った。もちろん、追加料金を払う気もあると。すべての素材の仕入れに時間がかかるかもしれないとのことだったけど、それは仕方ない。クモの足を干した粉はなんとか用意できるけど、細かく編んだ黄麻布切れみたいなものはどうしても手に入らないから。

OO年XX日
手が震えてうまく書き留められるかもわからない。最悪の事態が起きてしまった。いや、何が最悪なのかもよくわからない。私たちが油断した隙を狙っていたのか、数十人の闇術師どもが神殿を襲撃した。ゴーレムたちは何の役にも立たなかった。奴らは私たちが設置したテレポート魔法陣を逆に奪い、こんな無茶な襲撃を行ったのだ。警戒魔術も、結界も無意味だった。このままでは死んでしまう、そう思ったときだった。デルーズがキーティスの心臓を取り出して使ってみようと提案したのは。

もちろん…私はダメだと言った。でも、果たしてそれは本当の気持ちだっただろうか。死の恐怖に怯えるしかない状況の中、巨大な力が目の前にあった。どうせこれを奪われたら、私たちの死には何の意味もなくなるのに、私は…この巨大な力を使う勇気がなかったのだ。力を手に入れたとたん、その力に支配されるかもしれないという恐怖が私を押し留めた。でも、彼女は違った。

ある魔術師の日記 3

神よ、果たして私の選択は正しかったのでしょうか。私にもよくわからない。彼女はキーティスの心臓を手にし、すべての闇術師を一瞬で全滅させた。でも、その力の暴走は制御できなかった。彼女がだんだんヒューマンではない存在に化けていく姿を、私はただただ見守るしかなかった。彼女がすべての闇術師を殺して私を見つめたとき…殺されるかもしれないと思った。だから私は逃げ出した。神よ…って、いったい私は何を書いているのだろう。彼女はもう怪物になってしまった。私たちが守ろうとしたキーティスの心臓は災厄になってしまった。

どうしよう。戻ろうか。そう、戻ろう。学会に戻って、私がしでかした愚かな罪を白状して…彼女をヒューマンに戻そう。今までお世話になってきた彼女を、この手で助けてやりたい。どうか…彼女が再びヒューマンに戻る日が訪れることを。

exitlag


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追加者 Kiriak (8-10-2024)
追加者 Kiriak (8-10-2024)
追加者 Kiriak (8-10-2024)