ID: 3051465587
父の誓い
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タイプ: 収集
カテゴリー: ネビュラ島・南部編

父の誓い 1

王は額に手を当て、深いため息をついた。万が一、聖所の遺物が奪われた場合、不死の兵士たちだけではそれを取り戻すことはできないと考えていたからだ。その瞬間、首席魔術師が王に一歩近づき、意味深長な言葉を口にした。
「陛下、陛下のご不安を取り除く方法が一つだけございます。王国で最も有能な兵士たちに、永遠に遺物を守らせる方法でございます」…王の目が遺物を守るという強い意志で輝いた。「最も有能な兵士たちとは...」…首席魔術師はまるで待っていたかのように答えた。「王室近衛隊でございます」
その言葉を聞いた私はゾッとした。彼が提案したのは、人間の魂を鎧に封じ込め、盲目的に命令を遂行させるという黒魔術だった。そして何より、王室近衛隊には私の息子、エリオも所属していた。私は必死の思いで反対したが、遺物を守るという王の強固な意志を揺るがすことはできなかった。

父の誓い 2

その日の夜、私は首席魔術師を訪ね、必死に懇願した。「この命を捧げます。どうか、私の息子だけは助けてください。成人の儀式を終え、ようやく近衛兵になったばかりの子なのです!」…しかし、首席魔術師は首を横に振った。「皆同じだ、副首席魔術師。誰一人として例外はない」…その瞬間、私の中で怒りと絶望が入り混じった感情が込み上げてきた。それでも、息子を諦めることだけはできなかった。
私はすぐにエリオのもとへ向かい、彼の鎧に最上級の解除魔術図式を刻み込んだ。それを施せば、たとえエリオが鎧の亡霊となってしまっても、図式が即座に発動し、三日後には元の姿に戻ることができるはずだった。私はその間に亡霊と化したエリオを隠し、彼が戻るのを待つという計画を立てた。自らの運命を知って震えている息子に、私は希望を約束し、その場を後にした。

父の誓い 3

しかし、希望は長く続かなかった。翌日、首席魔術師は儀式を最も純粋な状態で行うべきだという理由で、近衛兵たちの鎧に施されたすべての強化魔術図式を消し始めた。エリオの番になった時、首席魔術師は私を一瞥した後、エリオの鎧に刻まれた解除魔術図式を容赦なく消し去った。最後の希望だったその解除図式も消え去り、私の計画は失敗してしまった。
続いて、首席魔術師は躊躇なく儀式を開始した。「今より、お前たちは遺物を守る永遠の守護者となる」…私は儀式を阻止しようと駆け寄ったが、すぐに押さえつけられた。黒魔術の力で激しい苦痛に苦しむ近衛兵たちは次々と倒れ、やがて空っぽの鎧だけがその場に残った。そしてその鎧たちが、ゆっくりと立ち上がった。
私は空っぽの鎧となった息子に向かって、エリオの名を必死に叫び続けた。しかし返ってきたのは、冷たい金属音だけだった。私の息子は、もう私の声に応えなくなった。

父の誓い 4

私は儀式を邪魔したということで王の前に引き出された。王は私を許さなかった。副首席魔術師としての権限はすべて剥奪され、牢に閉じ込められた。夜が明ければ、他の罪人たちとともに処刑される運命だった。だが、私は息子を取り戻すため、どうにかして生き延びる必要があった。
手足を縛られた状態で、私はわざと自分の肌に傷をつけ、その血で魔術図式を描き、牢から抜け出した。そして小さな小舟に乗り込んだ私は島を後にし、遠ざかる島を見つめた。そこに、遺物を守る呪われた鎧と化した息子がいた。「エリオ…必ずお前を救いに戻ると誓おう…」冷たい海を漂いながら、何度も死の危機に直面したけど、息子を取り戻すという私の決意はむしろ強くなった。陸地に辿り着くまで、その誓いだけが私の命を繋ぎとめる唯一の支えだった。

exitlag


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追加者 Kiriak (29-01-2025)
追加者 Kiriak (29-01-2025)
追加者 Kiriak (29-01-2025)
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