ID: 3871867899
ストーンガルドの特製料理を探して
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タイプ: 収集
カテゴリー: ファング村周辺

ストーンガルドの特製料理を探して 1

ストーンガルドの特製料理を探して<ジェイミー・ラムジー著>

その昔、豊かな穀倉地帯として広く知られていたストーンガルドは、一夜にして荒地と化してしまった哀れな土地でもある。幸いなことに魔術師たちの助けによりブドウを始めとした一部の農作物は栽培され続けているが、数十年にわたる収奪によって民間の食材は枯渇し、人々の心には余裕がなくなった。当時ストーンガルドの領主の城の特別シェフとして招かれていた私、ジェイミー・ラムジーは貧しいストーンガルドの住民たちの粗末な食生活を改善するためにかなりの努力をしたが、支配層の無関心によって失敗に終わった。

幸いレジスタンスによって領主は追放され、この地にも自由が戻ってきた。ストーンガルドの人々を支えた料理のうち、広く知らせる価値があるものをここに記録しておく。

<ストーンガルドブイヤベース>

ストーンガルドは砂漠地帯のため、各種食材を手に入れるのが難しいが、広い海に面しているため海の幸は比較的豊富に獲れる。しかし過去に貪欲な領主が船を出すたびに莫大な税金を課したため、住民たちは売り上げのほとんどを税金として捧げなくてはならなかった。通常は、水揚げされた魚のヒレや頭、尻尾などは切り落として胴体だけを塩漬けにするのだが、住民たちはこの捨てられる部位を集めてジャガイモや皮を削いだサボテンを切って、保管状態の悪いワインと一緒に煮込んで食べた。これが今日、伝統料理として伝わっているストーンガルドブイヤベースの由来である。
骨がホロホロになるまで煮込むとアルコールが飛び、ワインとサボテン、各種香辛料の匂いがたっぷりと染み込んだ魚粥のようになる。老若男女問わず誰もに愛される味である。質の良い食材を使うほど美味しくなる。

ストーンガルドの特製料理を探して 2

用意するもの:

主材料-各種魚の部位600リル、ヴィエンタワイン1/2本
副材料-各種ハーブと香辛料

調理法:

1.各種魚の部位からウロコを剥がし、皮や骨を小さく切る。
2.ヴィエンタ産のワインを鍋の2/3ぐらいまで注いで、残りは海水を入れる。
3.ハーブと香辛料を入れる。ニンニクがあるとなお良い。
4.骨がほぐれて皮が薄くなるまで長時間煮込む。
5.完全に煮えたシチューの中に残っている硬い皮と背骨は取り除いて食べる。

精製された塩が入手困難な住民たちは、酸っぱくなったワインを注いでそこに海水を入れて塩味をきかせるしかなかったが、そのおかげであらゆる海の幸の香りが染み込み、一口食べただけで海の旨みを味わえる格別な料理となった。誰も見向きもしなかった魚の捨てられた部位が民衆の手によって香ばしく深い味わいのある料理となった経緯は、まさにレジスタンスの精神を体現していると言える。

参考までにブイヤベースという言葉は、ストーンガルドの南部の方言からきているのだが、ぐつぐつ煮込むという意味の「ブイ」と長く煮込むという意味の「ベース」が合わさってできた言葉で、「煮込みまくる」という意味の言葉である。

ストーンガルドの特製料理を探して 3

<黎明カニのプレート>

領主の収奪によって食べ物がなかった頃、ストーンガルドの住民たちが注目したのは黎明海岸の巨大なカニだった。黎明海岸のカニといえば気性が荒いことで有名であり、おまけに大きくて丈夫な甲殻に覆われているため食べられないものだと思われていた。しかし窮すれば通ずという言葉があるように、彼らは古い鉄の箱を利用してカニを捕まえる方法を開発し、その結果は成功だった。(それによって黎明海岸ではしばしば殻の代わりに箱を被っているカニが見られる)

通常は、カニの内臓と肉を掻き出して和えたりブイヤベースに入れて、最も硬い足やハサミの肉はプレート料理にする。硬い殻の中に入っている肉は料理に使うには硬すぎだが、煮込まずそのまま大きな鍋に入れて蒸すと、ちょうどよい弾力をもった食材となる。

用意するもの:

主材料-ヤドカリの尻尾の肉またはカニのハサミを数個、ヴィエンタワイン1/2本
副材料-各種ハーブと香辛料

調理法:

1.ヤドカリの尻尾やカニのハサミを石などの上に置いて大きな鍋や蒸し器の中に入れる。
2.ワインを鍋/蒸し器の中に注いでワインのみで蒸す。
3.蒸し終わったら鍋/蒸し器から取り出してハンマーで殻を割り、肉を取り出して食べる。

水分に触れずワインの蒸気のみで蒸すため、蒸留する酒の香りが生臭さを消してくれる。香辛料を入れるとさらに美味しくなり、海水のおかげで特に味付けは必要ない。最近は濃いバターを一皿分溶かしてソースの代わりにつけて食べるのが流行っている。

ストーンガルドの特製料理を探して 4

<ファングの森のグヤーシュ>

砂漠地帯のストーンガルドで唯一緑が残っているエリアがファング森である。そのため代々伝わるレシピも途切れることなく残っている。ファング村は主に木の伐採によって生計を立てている木こりたちの村であるが、その周辺の森はライカンたちに支配されている。村のハンターたちはライカンを牽制し彼らが連れているオオカミたちをよく狩り、皮を剥いでそこから得られる肉を食料としていた。オオカミの肉は硬く獣臭いため、他のエリアでは食用とされていないが、ファング村の料理にはオオカミの肉がよく用いられている。

用意するもの:
主材料-新鮮な獣の肉600リル、新鮮なキノコ一握り
副材料-塩1つかみ、ニンニク1玉、各種ハーブ、マンドラゴラの根1個

調理法:

1.新鮮な獣の肉を適当な大きさに切り、水に1時間以上浸けて血を抜く。
2.キノコは傘と柄を分け、よく洗って一口大に切る。
3.血を抜いた肉とキノコを大きな器に入れて水をたっぷりと入れ、皮をむいたニンニクと塩を入れて煮込む。この時、マンドラゴラの根1個を一緒に入れる。
4.途中で煮詰まらないよう水を足しながら、2時間ほど煮込んで肉が崩れないようにする。その後、用意したハーブを一握り程度のこして残りはすべて入れ、蓋をあけたまま30分以上煮込む。
5.水が適度に煮詰まったら、残しておいたハーブを手でちぎって蒸した肉の上に散らした後、よく混ぜて食べる

ストーンガルドの特製料理を探して 5

薬材としても用いられるマンドラゴラは、主に朽ち果てた石工の街近くで採集されて他のエリアにも輸出されているが、その昔悪徳領主フェルナンがファング村周辺の伐採場を収奪した時に派遣されてきた役人たちが、オオカミの肉の臭みを消すために持って来て食べたという説が有力である。

とにかく強烈な味を持つマンドラゴラのエキスには、オオカミの肉の臭みを消すだけでなく精力をつける効果があり、ファングの森で獲れるオオカミの肉とキノコにマンドラゴラを加えたシチューは、ファングの森のグヤーシュとして有名になった。今も狩人や伐採屋が疲れを吹き飛ばすためのスタミナ料理として好んで食べているそうだ。

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追加者 Kiriak (11-10-2024)
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