ID: 1393119941
バニー・ワトソンの日記
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タイプ: 収集
カテゴリー: 星影天文台遺跡周辺

バニー・ワトソンの日記 1

3月11日

シャイロック兄貴とゼロイ兄貴がケンカした。
しょっちゅうケンカしてはいるけど、今回は道端で殴り合いにまで発展したんだ!シャイロック兄貴は髭が抜けてたし、ゼロイ兄貴は鼻血を出していた。どうやらシャイロック兄貴の勝ちみたいだ。
父さんがあんなに怒ってるのは、兄貴たちが俺を屋根から落っことして以来だ。ワトソン家の誇りをどこに捨ててきたのか、とか何とか大声で怒っていた。俺の部屋にまで聞こえてきた。たぶん隣の家にも聞こえているだろう。
珍しくゼロイ兄貴が父さんに反抗した。両方の穴から鼻血を流しながらでなければ、かっこよかっただろうに。兄貴はワトソン家の後継者はまだ決まっていないのに、シャイロック兄貴が後継者ヅラしているのが気に入らないと訴えていた。たしかにそうだ。最近になってシャイロック兄貴は、偉そうに髭を撫でるクセができた。話し方も父さんみたいになった。突然どうして老人みたいな喋り方をするのかと聞いたら、自分は生まれた時からこんな口調だったって言い張るんだ。

シャイロック兄貴はゼロイ兄貴より年上ではあるけど、うちの商団は徹底的に実力主義だ。後継者も実力がなければなれない。現に、父さんも次男だった。だからゼロイ兄貴の話にも一理ある。
父さんもそう思ったのか、その日の夕食の時に、公平に後継者を選ぶ方法を考えると言っていた。兄貴たちは互いを睨みつけていた。夕食後、ゼロイ兄貴が俺の頭をぐしゃぐしゃにしながら「お前は私たちのうち、どちらが後継者に相応しいと思う?」と聞いた。シャイロック兄貴は俺の頬を引っ張りながら「バニーは私の味方に決まってる」と言った。
兄貴たちが見落としていることがある。俺はバニー・ワトソン、14歳。見てろよ。ワトソン商団の後継者は兄貴たちじゃなくて、この俺だ!

バニー・ワトソンの日記 2

3月13日

父さんが兄貴たちを呼び出した。良いアイデアが浮かんだみたいだ。
もうじき灯籠の花が咲く時期だ。うちの商団は、ネスト草原で灯籠の種を収穫して灯籠の石鹸を作るんだけど、この石鹸がうちの主力商品なんだ。
問題は、ネスト草原がかなり危険な場所だってこと。人間をクチバシで引き裂いて殺すテラーバードたちと、鋭いトゲを持ったコイコイたちの住処だからだ。おまけに灯籠の種は動物の毛によくくっつくから、テラーバードとコイコイを殺さないと手に入らないときた。
俺たちみたいなひ弱な商人たちは、種を収穫する間傭兵たちに護衛を頼むんだけど、前回テラーバードに傭兵が2人殺された。父さんもその時足を怪我してしまった。種が足りないから石鹸もあまり生産できなかったし。
それで父さんは新しいやり方を考えたらしい。灯籠の種をできるだけ収穫し、ワトソン商団の後継者を公平に選ぶ方法!ずばりネスト草原で祭りを開くんだ。
冒険家たちにテラーバードとコイコイを殺して種を集めるように頼み、その対価に伝票を支給するんだ。

伝票をたくさん集めた冒険家には、商団から賞品を与える。冒険家同士で競わせ、うちの商団は利益を得るというわけだ。まったく、父さんには尊敬の念しかないよ。
兄貴たちはそれぞれ別で納品を受け付けるらしい。二人のうちどちらが、より多く冒険家たちから種を集められるか、正々堂々勝負するみたいだ。何度か祭りを開いて、総合成績が良い方がワトソン商団の後継者になるらしい。
兄貴たちもこのやり方には納得したのか、すぐに祭りの準備について話し合い始めた。俺は遊んでるフリをしながらさりげなく近づいて行った。
父さんが「それじゃ祭りに使う報酬と伝票は二種類用意するように…」と言った時、俺は自然な感じで話に割り込んだ。「三種類だよ」
父さんと兄貴たちが俺を見たが、俺は堂々と言った。
「俺が兄貴たちよりもたくさん種を集められたら、俺がワトソン商団の後継者になるんでしょ?」
我ながらかっこよかったと思う。

バニー・ワトソンの日記 3

3月14日
シャイロック兄貴が俺の部屋にやってきた。髭を撫でながら、俺を戒めた。要約すると、大体こんな感じのことを言っていた。
商人の基本は信用だ!冒険家たちが子どもを信頼して種を渡すはずがない!灯籠の種の祭りはおふざけじゃないんだぞ!お前が商団の後継者になれるはずがない!考え直せ!
一時間の説教を要約してたら、疲れて眠くなった。
正直言って悔しい。兄貴たちは背も高いし、声も低いから嘘をついても人を騙せるのに。やっぱり冒険家たちからしても、俺は頼りないだろうな…なんとかして信頼を得る方法はないかな?

3月15日
シャイロック兄貴がネスト草原のマップをプレゼントしてくれた。
きっと昨日の長時間の説教に対して罪悪感があったんだろう。

3月20日
ゼロイ兄貴とケンカした。兄貴は朝食を食べてすぐ、ヘッドアタックテラーバードみたいに俺の部屋に押しかけてきた。

どうしたのかと聞くと、とんでもない言いがかりをつけてきた!昨日俺が商団の取引帳簿を見た後に、ちゃんと元に戻さなかったとか、そんな感じのことを言ってきた。
帳簿はシャイロック兄貴が持って行ったと俺が答えると、ゼロイ兄貴は不自然な笑みを浮かべて、明日の祭りではどんな策略を使うつもりかと聞いてきた。そんなあからさまに聞かれて、教えるヤツがいるか!
兄貴はどうやってこんな一面をお客さんの前では隠しているんだろう?皆口をそろえて兄貴は親切で人柄が良いと言うけど、全部演技だ。本当は怒りっぽいし、嫉妬深くて感情的だ。だけどそれはシャイロック兄貴のせいでもある。兄貴たちが小さい頃、ゼロイ兄貴を色々といじめたらしい。
ところでゼロイ兄貴は何か作戦があるみたいだ…何だろう?冒険家たちをうまく説得する以外で、何か考えがあるのか?伝票以外の何かを支給するのはナシになったはず。
もしかして種一つにつき、伝票を一つ渡すんじゃなくて…他に何か手があるかな?
気になって眠れなさそうだ。明日はついに祭りだ!きっと俺が一番多く集められるよな?

バニー・ワトソンの日記 4

3月21日

はあ…終わった。
冒険家たちに信用してもらうために、付け髭をつけて声も低く目に出したのに、兄貴たちの半分しか集められなかった…
祭りが終わってから、冒険家たちにどうして俺に納品してくれなかったのか聞いてみたら、怪しそうで信用できなかったと言われた。うう…
今回の祭りはシャイロック兄貴の勝ちだった。ゼロイ兄貴はさっきから部屋に閉じこもって出てこない。
まあ、また次の祭りもあることだ。今度は違う作戦でいかないとな。俺の顔には髭は似合わない。これからは服もいつも通りのにして、声もいつも通り出そう。怪しくないようにね。
俺は可愛さで勝負するぞ!兄貴たちよりずっと可愛いからな!
見てろよ。次の祭りでは絶対に俺が勝って、ワトソン商団の後継者になってやる!

exitlag


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